膝の痛みについて
膝の痛みに日々悩まれている方も多いと思います。
関節自体が痛いという方もいれば
水が溜まってしまって痛むという方も。
天気や気温、湿度によっても痛みの度合いは違うものです。
膝の痛みにはどういった原因や疾患が考えられているのでしょうか?
膝まわりに起こる疾患やそれに対する施術方針をご説明します。
目次
膝の痛み
膝の構造
膝は大腿骨と脛骨、さらに膝蓋骨(膝の皿)で構成されており、
これらの骨が靭帯や筋肉が着き、関節包と呼ばれる袋状の組織に覆われて、関節として働いています。
大腿骨と脛骨の接触部分は軟骨で覆われ、その隙間には半月板があり、膝(主に骨)への負担を減らしています。
痛む部位によって原因が違う
膝の痛みはその発生する場所によって原因が違います。
膝蓋骨(膝の皿)や関節の横が痛ければ半月板の損傷を疑います。
膝蓋骨(膝の皿)の上が痛ければ大腿四頭筋が原因で、
膝蓋骨(膝の皿)の下が痛ければ膝蓋靭帯が原因のことが多いです。
単純に膝蓋骨(膝の皿)に付着している靭帯や筋肉ということになりますが
膝蓋骨(膝の皿)の奥にある組織(滑液包や脂肪組織)が原因で痛みを発生させることもあるのでしっかりとした鑑別が必要です。
そのために各整形外科や接骨院、治療院ではいろいろな検査(テスト)を実施します。
はり・きゅうでの施術方針
上記の原因となっている筋肉や靭帯、炎症部位に刺鍼することが多いですが
関節痛にははりが通らない部分も多くそういった場合はお灸がよく使われます。
関節まわりは血の巡りが悪く、痛みが出ている部分は冷えている場合が多いため
熱を与える意味でお灸をすることもあります。
また、膝関節だけでなくふくらはぎや太もも、股関節など様々な部位から痛みにつながると考えられます。
立ち姿勢や歩き姿勢など体全体の使い方から原因を探り解決していかなければならず、
膝が痛いだけでも全身治療になってしまうことも多くあります。
膝だけの痛みで軽くとらえず、体全体の問題として治療にあたったほうがいい場合もあります。
もしご来院された際は施術前に、些細な悩みで構いませんので随時教えていただけると助かります。
ご本人にあった施術方針を探していきましょう。
こんな時は要注意
膝の痛みを経験する方が多いため軽く見られがちですが、
中には危険な疾患もあるので、なかなか痛みが治まらないときや
強い熱感、腫れ、発赤などの症状があるときは要注意です。
悪性骨腫瘍・・・
悪性骨腫瘍の初期症状は疼痛です。
最初は痛かったり痛くなかったりを繰り返しますがやがて持続的に痛むようになり
激しい夜間痛も現れます。
膝関節には腫れ、熱感、発赤、静脈の怒張が現れ、進行が速いものほど悪性の可能性が高くなります。
若い年齢の方に多く原因となる外傷(転んだりぶつけたり等)がはっきりしないものは精査する必要があります。
そのほかに化膿性膝関節炎(膝関節内で炎症が起きかつ化膿した状態)、
離断性骨軟骨炎(大腿骨下端の一部が軟骨とともに剥がれ落ちてしまう状態)、
滑膜骨軟骨腫症(関節を包む袋状の組織中に軟骨細胞が出現し余計な軟骨を作ってしまった状態)などがあり、
こういった疾患の場合は通常の施術や電気治療などでは良くなりません。
心当たりのある方は整形外科でしっかり検査してもらいましょう。